今回は「電子ドラムばかりで練習すると上達できない!」がテーマです。
みなさん、練習はしていますか?
電子ドラムを持っている方は、どれくらい電子ドラムで練習していますか?
電子ドラムをお持ちの方は、持っていない方よりも比較的好きな時に叩けるので、おのずと練習量も増えると思います。
Contents
電子ドラムだけで練習しない!

それはさておき、電子ドラムといえども、家でドラムが叩けるって嬉しいし楽しいですよね!
ケーブル一本をスマホに繋げれば、好きな曲に合わせて叩くこともできますし。
ただ、電子ドラムで練習しているみなさんに気をつけていただきたいことがあります。
それはタイトルにもあるとおり、
電子ドラム「ばかり」で練習していると上達できなくなってしまうのです。
上達できないならまだしも、最悪下手になる恐れすらあります。
※しかし、電子ドラムはその弱点を知って受け入れた上で、上手に使ってあげれば最高の練習ツールにもなるので、決して使ってはいけないということではありません。
電子ドラムで上達できない理由
なぜならば、
- タムやシンバルといった各パーツ同士の間隔が、生ドラムとは明らかに異なるから!
- 跳ね返りの感覚が全く違うから!
この二つが理由です。
サイズが小さいことで、各パーツへの距離が短くなる
電子ドラムのパッド類は、基本的に生ドラムのサイズよりも小さいですよね?
特にお手頃な電子ドラムは、サイズがかなり小さくなっています。
実際に、よくあるサイズ構成のドラムセットと比較してみましょう。
生ドラム | 某エレドラ | |
バスドラ | 22インチ | 10インチ |
タム | 12,13インチ | 8インチ |
フロアタム | 16インチ | 8インチ |
スネア | 14インチ | 8インチ |
ハイハット | 14インチ | 5インチ |
クラッシュ | 16,18インチ | 8インチ |
ライド | 20インチ | 8インチ |
生ドラムは一番小さいものでも12インチです。
それに対し、エレドラは大きくても10インチ。
しかも各パーツのサイズ差もほとんどありません。
このサイズ構成だと、セッティングした時に各パーツの距離感が明らかに短いので、生ドラムとは全く距離感が違っています。
電子ドラムが基準になってしまう
例えば
ハイタム→ロータム→フロアタム
と、流れるように叩く練習をするとします。
この時、エレドラの場合だとスティックの移動距離が生ドラムよりも確実に短いです。
この短い距離感に慣れてしまうと、生ドラムで同じように叩いた時に移動距離が遠いと感じてしまうでしょう。
生ドラムを基準に考えなければいけないのに、自分の体がエレドラを基準に覚えてしまうんですね。
セッティングを広く取れば良いということでもない…
「じゃあエレドラのセッティングを大きく取ればええやんけ!」なんて声も聞こえてきそうです。
わかりますよ。実際に僕もそう思ってやってみましたから。
でも、ダメだったんです…。
エレドラで生ドラムのような位置間隔にすると、これがまあ叩きにくい!
なんでかっていうと、結局リム(フチ)のせいで、スティックが移動しずらいんだと思います。
リムを避けるための動作が混じってしまって、無駄な動きが増えました。
それに、可動域が大きいエレドラならまだしも、お手頃なものでは生ドラムばりの距離をとったセッティングをすること自体が難しい。
これが大きな差なんですね。
どこを叩いてもスティックが跳ね返りすぎる

次に、スティックの跳ね返りです。
生ドラムは、パーツごとに跳ね返りの強さが違います。
ライドシンバルはよく跳ね返りますし、フロアタムは逆にあまり跳ね返らない。
この跳ね返りの違いを体得することで、よりよい演奏ができるのです。
しかし電子ドラムのゴムパッドやシリコンパッドだと、ハイタムだろうがフロアタムだろうが跳ね返りが一定になってしまいます。
しかも跳ね返りすぎる。
メッシュヘッドの電子ドラムならチューニングでなんとか跳ね返り具合を調整することができますが、それでも生ドラムとはかなり違うわけです。
ドラムで重要なのは「スティックの跳ね返りをいかにうまくコントロールできるようになるか」が一つにありますが、電子ドラムではこれがなかなか体得しづらいのです。
必ず生ドラムも叩こう!

「そうはいっても、生ドラムなんてなかなか叩けないんだよ!」
こんなお怒りの声が聞こえてきました。
そうですよね。
自宅に防音室があるならともかく、ほとんどの人はスタジオで個人練習に入るしかありません。
個人練習のスタジオ代は安めとはいえ、それでもお財布への負担は避けることができません。
家からスタジオへ移動するにも、大抵の人は交通費がかかります。
ですが、それでも生ドラムを叩く機会を設けてください。
毎日スタジオに入れとは言いません。
できれば週に一回、それが無理なら2週間に一回とか、都合のつく時でいいです。
スタジオに入って生ドラムに触れましょう!
最後に
あくまでも電子ドラムは、生ドラムでの演奏力を上達させるためのツールです。
なかなか生ドラムが叩けないからといって、明らかな違いを理解しないまま電子ドラム=生ドラムと捉えて練習し続けると、ドラマーではなく「電子ドラマー」になってしまいます。
「別にバンドをやるわけじゃないし、家で自分一人でドラムを楽しめればそれで良いんだよ」
これはこれでひとつの立派なドラムの楽しみ方なので悪いことではありません。
電子ドラマーが良いか悪いかはまた別の話ですが、やっぱり生ドラムを叩くからこそ電子ドラムでの演奏も楽しくなると思います。
そして生ドラムじゃないと気づけないこともたくさんあります。
せっかくやるなら、色んな楽しさを知っている方が良いじゃないですか。
電子ドラムのメリットだけではなく、デメリットもしっかり把握して受け入れて、上手に使ってあげれば、今よりももっと良い演奏ができるようになります!
電子ドラムと生ドラムを上手に叩き分けて、今以上にドラムを楽しんでくださいね!
ということで最後までご覧いただき、ありがとうございました!