ドラム

ドラムのスティックを変えると音色も変わる

promarkのスティック

みなさんこんにちは。

婿養子ドラマーのあぶない婿殿です。

 

さて、ドラマーの皆様、スティックは何を使っていますか?

どういう基準で選んでいますか?

 

使いやすさだけでなく、出したい音色も考慮しよう!

大体の方が、「自分の手の大きさに合っていて、振り回しやすい」ことを基準に選ぶのではないでしょうか。

僕も以前はそうやって選んでいました。

 

しかしある日からそこに

「自分の出したい音色が出るか」

も加えたのです。

 

キッカケは自分の音に対して感じた違和感

さかのぼること30代前半の頃。

それまでの僕は、自分の手にあったサイズ、振り回した感触だけで決めていました。

 

以前に僕が愛用していたのは、Pro markTX721W マルコ・ミネマンモデルでした。

長さ406mm、太さ14.5mmで小さめのチップ、ウエイトが後ろ寄りのスティックです。

 

少し太めですが、これが非常に使いやすかったんです。

 

僕はパワー重視ではなく、細かいフレージングを好むプレイスタイルなので、コントロールしやすいスティックを求めていました。

マルコミネマンもあんな感じですから、まさに「コレ!コレ!この感じ!」と思って長いこと使用していました。

 

しかし、ある時、録画した自分のステージでの演奏を見た時に、違和感を覚えました。

 

その違和感は、どのステージの映像を見ても感じるものでした。

何というか、自分の鳴らすドラムの音が全体的にまとまっていないというか

右手・左手・右足、ズレたりしているわけではないのに一体感がないというか…。

 

長年悩み続けました。

悩み続けたのですが、結局解決の糸口が見つかりません。

 

もうどうしようもなくなってしまったので、前々から気になっていた他県にあるドラム教室まで足を運んで、僕の音を聞いてもらいました。

 

片道3時間かけました。

60分のレッスンのためだけに、長距離を移動しました。

それくらい悩み倒したんですねぇ。

 

グリップとスティックを変えることで解決!

結果。

「右手と左手と右足の音色に差がありすぎて、キャラクターの違う3人がそれぞれの音を鳴らしているように聞こえる!」

というものでした。

 

どういうことか、具体的に解説しますと

  • 右足(バスドラ)の音はアタックの強いシャープな音。
  • 左手(主にスネア)はクラシックの演奏者のごとく柔らかい音色。
  • 右手(主にハイハット)は、左手よりもさらに柔らかい音色。

僕はこういう音を出していたんです。

だから出る音に統一性がなかったんですね。

まとまりがないように感じるという認識は正解でした。

 

ではこの音色がバラバラという問題をどのように解決したかです。

 

その教室の先生曰く、

プレイスタイルや好きなドラマー、好きな音楽から考えて、バスドラの音を基準とした方が良い

とのことでしたので、スティックとグリップを変えたのです!

 

シャープな音色が出るスティックに変更。

そもそもPro markのTX721W “マルコ・ミネマンモデル”は、柔らかい音が出るスティックだったのです。

レッスン時に何種類かのスティックを渡してもらい、叩せてもらったところ、かなり音色にまとまりが出てきたとのこと。

一番音の統一性が取れていたのが、Pro markのエルヴィン・ジョーンズモデルでした。

 

小指支点のグリップに変更。

次にグリップも変えました。

僕の当時のグリップは支点が人差し指にあり、極力握らず、指とスティックの設置面積を可能な限り削っていました。

この支点を “人差し指” から “小指” に変えることで、音色もかなりシャープな音になったのです。

ちなみにこの小指支点は、僕が敬愛するGavin Harrison(ギャヴィン・ハリソン)やAnika Nilles(アニカ・ナイルズ)もやっているグリップです。

 

さらに、音楽之友社から出版されている教本、「アランドーソン・ドラム・メソッド vol.1」の冒頭にも

親指と人差し指、それに小指の3本でしっかりスティックをホールドし、中指と薬指をかるくそえている。

小指を使う奏法がアランの特徴である。

アランドーソン先生のグリップも小指を使うものであったと書かれています。

 

いかなるリバウンドもコントロールしやすくなるのが、小指支点の利点なんですね。

 

良いスティックを見つけるのにも苦労した

よし、これで音の悩みは解決だ!

となったのですが、一番音のバランスが取れていたエルヴィンジョーンズモデルが、どうにも使いにくい。

音色が良くても使いにくかったら意味はないと思い、ここから長いスティック探しの旅が始まりました。

 

まず、どういう条件で音色が決まるのか。

ここから考えることにしました。

レッスン時に借りて、全体の音色バランスが良かったスティックは、

  • TAMA O-213B
  • Pro mark TXZJW(エルヴィン・ジョーンズモデル)
  • Zildjian 川口千里モデル
  • Vic Firth VIC-OH(オマー・ハキムモデル)

でした。

 

条件その1. 重心が前寄りのもの

この4種類の共通点は、「重心が後ろすぎない」ことでした。

 

ということは、マルコ・ミネマンモデルのような、後ろ重心は音が柔らかくなるのでは?

この仮説のもと様々なスティックを試してみました。

 

これが正解だったようです。

 

ということでまず、前重心という条件が決まりました。

 

条件その2. 太さ13mm台のもの

次に太さです。

太いスティックの方がアタックがでそうなものなのですが、太い分重い。

そして重いことでショットスピードが落ちます。

ショットスピードが落ちることで、音がやや鈍くなったことも、太いスティックでドラムを叩いた時に実感しました。

それに、エルヴィンモデルの時が一番音が良かったということを踏まえると、細い物の方がシャープな音になるのでは?という考えに至り、グリップ径は細いものを選ぶことにしました。

 

これで二つ目の条件が決まりました。

 

見つけ出したのは、Pro markのFBH535AW

  • 前重心
  • 1314mmの間の太さ

この二つの条件を満たすスティックが、ありました!

 

前重心で、406mm×13.5mmというサイズの

Pro mark FBH535AW

これです!見つけました!

あぶない婿殿
あぶない婿殿
ようやく見つけた…長かった…

探し当てるまでに半年くらいかかったと思います。

 

そしてネットでポチり、到着後スタジオへ。

 

僕の音色問題を解決してくれる、ドンピシャのスティックでした!

ドラム全体の音色が、バッチリとキレのあるシャープな音にまとまりました。

録音した自分の音を聞いていても違和感を感じなくなりました。

 

しかもこれ、時を同じくしてアニカも使い始めているではないですか。

好きなドラマーが同じスティックを選んだっていうのは、なんだか嬉しいですね。

最後に

ということで、

「音色をコントロールするためには自分の実力を磨くしかない!」

という考えも立派ですが、ここはひとつ柔軟に考えて、使う道具を変えてみるのも一つの解決方法なんじゃないでしょうか。

スティック選びや自分の音色に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
あぶない婿殿
1982年生まれ。16歳の時にドラムを始めて、今日に至る。長く続けられている理由は、ダラダラやってきたから。 ドラム教室もやってます。非同期のオンラインレッスンも受け付けていますので、お問い合わせは下記リンクやSNSのDMからどうぞお気軽に!