頑張らない方がうまくいく。
こんな言葉を見かけたりしませんか?
今になって思い返すと、僕も頑張らなかった時のほうがうまくいっていました。
反対に、頑張れば頑張るほど、頑張ろうとすればするほど、自分にとって悪い結果につながっていた経験がいくつかあります。
今回は、「頑張らないほうがうまくいくのか?」についての僕の意見をお伝えしていきます。
Contents
頑張らないほうがうまくいった経験
その昔、僕は販売の仕事をしていました。
最初はアルバイトで入社。
そしてその会社は、販売実績が会社の規定に達すれば社員登用、という制度があったので、社員になることを目標に働きました。
しかし出る実績は、社員登用の規定に対しておよそ60%程度。
社員になれそうな気配もなく、数年間を過ごしました。
そうなると自信もなくなって、あとは「いつ辞めるか」に意識が向くように。
店長は色々とアドバイスをしてくれたり、檄を飛ばしたりしてくれましたが、それでも僕はやる気が出ませんでした。
見かねた店長もついには怒り出し…
それでも腐っていた僕は「いやそんなこと言われても売れないんだから仕方ないじゃーん」としか思いませんでした。
そこで僕は、どうせ辞めるなら
「頑張って接客しました、でも売れませんでした!これで僕には販売の仕事は向いていないことが証明されました!だから辞めます!」
と胸を張って(?)言うために、とりあえず接客だけする、そして売らない、と決めて行動しました。
売らないために接客する。
なんとも矛盾してますが、体が空いていると、ことあるごとに店長がつべこべ言ってきて嫌だったので、なるべく店長と話さないためにも接客をしようとしたのです。
ハッキリ言ってやる気ゼロです。
頑張る気などそこにはありませんでした。
でも、お客さんと会話をするのは楽しかったですから、お客さんに声をかけることは積極的に行いました。
すると。
そうです、お察しの通り、何でかよく分からんけど売れ始めたのです。
そしてその月はなんと過去最高&店トップの販売実績でした。
結果が出たけれど、それでも頑張ろうとは思わなかった。

そんな実績を出せば嬉しくなりますよね?
嬉しかったでしょう?と思いますよね?
全然嬉しくねえ…。
その時の僕の気持ちは
「いや、あの…売れちゃうと困るんですけど…」
でした。
まあたまたま、まぐれだろう。次の月はそうはいかないでしょ。
翌月以降は売れなければ「あの時はまぐれだったんですよ」と言える。言いたい。言わせてくれ…!
翌月も過去最高実績、更新。
頑張らないのに売れる不思議な状況が面白かった

な・ぜ・だ…!
もう不思議で仕方がありませんでした。
なぜ売れるのか、自分でもまったくわかりません。
ここまでくると、嬉しいというよりもその「なんでか売れる」という不思議な状況が面白くて仕方がありませんでした。
今までの自分は一体何だったのか。
そんなこんなで、さらに翌月もその調子で接客して売れまくり。
3ヶ月連続で過去最高実績を更新するという怪奇現象を起こします。
そして頑張らないで、とりあえず接客だけするスタンスで行動して半年。
社員登用となりました。
しかも、アルバイトでは全店で2位の販売実績。
今思い返しても、凄い!
そしてめでたく社員になったワタクシ。
さすがにそこまでの実績が出せて嬉しくなりました。
嬉しくなって、販売することが面白くなったことで辞める選択肢は無くなり、頑張りはじめてしまいました。
頑張りはじめたら売れなくなった

するとどうでしょう。
急に以前のような実績が出なくなってしまいました。
店長や、さらに上の上司からも「どうした!?社員になって安心したか!?」などと言われだす始末。
これではいかんと思い、どうしたらいいのかを考えました。
販売実績を出すために、様々なことを考えて計画を練り、行動しました。
しかし、売れません。
売れないから、頑張って接客をします。
頑張らないで売れた半年前のことなど、忘れてしまったかのように。
いや、自分の中で「売れた=頑張った」の図式に書き換えてしまったのかもしれません。
だから、販売するために頑張ります。
頑張るから、苦しい思いをしてしまいます。
苦しいからなのか、頑張ってもやっぱり売れません。
以降、売れない→頑張る→やっぱり売れない→もっと頑張る…のループです。
その中でもそれなりに良い販売実績を出したことは何度かありましたが、「頑張らなかった時」ほどではありませんでした。
頑張ろうとしてうまくいかなかった経験

そして月日は流れ、転職をしました。
転職先には「今までの経験を活かして、頑張っていい実績を出そう!」と意気込んで入社。
担当する事業は低迷していたのですが、それを”頑張って”、少しずつ回復させていきました。
しかし、上司からは「君はこの会社に合わない」と言われ、結局すぐに転職することになりました。
次の会社でこそは!頑張って実績を上げて、しっかり稼ぐんだ!
そんな思いでさらに次の会社でも頑張ろうとします。
しかし、頑張りたい気持ちとは裏腹に、たいして仕事がありません。
そして何も教えてもらえません。
結局、放置された挙句に「熱意が足りない」と言われて、辞めさせられることになりました。
「努力」と「頑張る」は違う

ここまで振り返ると、頑張ろうとしないことで良い方向に物事が進み、
頑張ろうとしたことで一つも上手くいかない。
僕の人生においては、こういった結果が出ています。
ここで一つ思うのは、見出しの通り
「努力」と「頑張る」は違う、ということです。
僕が思うに、
努力とは、「自分の心が軽い状態で、楽しく取り組める」ことであり
頑張るとは、「自分の心が重い状態で、苦しい義務」である
のではないか、ということです。
「頑張らない」と「怠ける」も意味が違う
さらに言うなら、「頑張らない」と「怠ける」も違います。
頑張らないのは「力が適度に抜けている状態」
怠けるは「必要な力さえもまったく入れていない状態」
であると思います。
これらも勘違いしてしまうと、大変な目に合うでしょう。
頑張らないほうがうまくいく。その経験談のまとめ
頑張ろうとしなかった時→良い結果が出た
頑張ろうとした時→悪い結果が出た
もちろん、それぞれの行動を一つ一つ細かく見ていけば、要因・原因は色々と出てくるでしょう。
一つ言えることは
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
です。
(故・野村克也が、松浦静山の剣術書『剣談』から引用した言葉です。)
頑張らない方が、何でかよく分からんけど上手く行ったことは事実です。
また、注意しておくべきこととしては
努力≠頑張る
頑張らない≠怠ける
です。
もちろん頑張って結果が出る人もいるでしょう。
しかし、頑張ろうとして結果が出ないのならば、苦しいのならば、試しに頑張らないでみるのも一つの手段かもしれません。
ということで最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が、見てくださった方の何かの役に立てば幸いです。