楽器をやっていると、いろんな人からいろんな意見を耳にします。
曰く、「練習は量よりも質だ!」
曰く、「いや質よりも量が大事だ!」
範馬刃牙に出てきそうな言い回しをしてみましたが、いやいや結局どっちなんだよと。
こうして初心者や初級者が混乱して迷宮入りするケースもあるのではないでしょうか。
とは言え、人それぞれ辿ってきた道が違えば経験も違ってくるもの。様々な意見が飛び交うのは仕方がありません。
しかし僕はここに主張します。
楽器を始めたばかり〜中級くらいまでは、練習は質よりも量である!と。
自分の実力に応じて、段階的に質と量の対比は変わっていくのです。
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最初のうちはとにかく時間をかけてたくさん練習しよう

初心者の頃は、全てがフラットな状態です。
よってこの時点で練習における「質」がなんなのか、心身ともにわかりません。
また、ある程度できるようになってきてからも、まだ動きがぎこちなかったり無駄が多かったりします。
指の動かし方、腕の振り方、足の動くタイミングetc…
身体に楽器を演奏するための動作を染み込ませるには、とにかくその動作を繰り返し繰り返し行っていく以外に方法はありません。
「繰り返す」ということは、当然、時間がかかります。
できるようになった!と思っても、翌日にはできなくなっていたり。
かと思えば、ずっとできなかったことがある日突然できるようになっていたり。
そんなことを繰り返していると「何も考えなくても動く」ようになります。
この「何も考えなくても」できる状態が、「身についた」状態です。
これらは全て「量」を多く行わなければ到達できません。
ですから、まずはたくさん練習をすることが第一です。
楽器を持っている、楽器に向かっているだけが練習ではない

ドラムの場合、マイ楽器を持っている人の方が稀でしょう。
最近は電子ドラムも非常に普及してきましたが、それでも他の楽器以上に住宅事情に左右されるもの。
そうなると練習できるタイミングが限られてきます。
「楽器に向かえないから、なかなか練習の量が増やせないんだよな…」
わかります、その気持ち。
しかし、「楽器に向かう・楽器を持つ」ことだけが練習の全てではありません。
音楽を聴きながらリズムを取るだけでも立派な練習
音楽を聴く時、皆さんはどうしていますでしょうか。
僕は以下のようなことをやっています。
- 聴いている曲のリズムパターンを口ずさむ
- 曲を聴きながら4分音符をひたすらキープする
- 「タンタタ」とか「タタンタ」とか、細分化したリズムを当てはめ、組み合わせて曲に合わせる
- 歌う
- 歌いながらリズムを取る
これだけでも「曲に合わせる」トレーニングになります。
そして「歌う」とありますが、楽器プレイヤーであっても歌を歌うことで「歌心」を養うことに繋がります。
歌心のない演奏って、本当にアレがアレでアレですからね…大事な要素だと思ってます。
その気になればなんでも練習になる
その気になれば、歩くことさえも練習に活用できます。
地面を踏むタイミングを4分音符にして、手は3連符で腿を叩く…なんてことをすれば立派なリズムトレーニングになると同時に、立派な変な人にもなれます。
やるなら目立たないようにしましょう。
量と言ってもただ闇雲に時間をかければ良いというものではない

では、量が大切だからといってひたすら練習していれば良いかと言うと、そうではありません。
ただ闇雲に練習していても時間の無駄です。
ではどうすれば良いかと言うと、「今からやる練習にはどんな意味や効果があるのか」と言った、
目的意識を持って練習することです。
手を早く動かせるようになるため
とか
フィルを叩いてリズムに戻った時に、つっかえないようにするため
とか
一つ一つの練習には「目的」がありますから、その目的を意識して練習しましょう。
なんとなくやっていては、なんとなくの結果しか身につきません。
長時間、同じ練習をやるのは精神的にきついので、メニューを用意して回す。

人間は、一つのことを延々と繰り返すと苦痛を覚えます。
苦痛なまま量をこなそうとすると、脳が「練習=苦しいもの」と認識してしまいます。
そうなってしまうと練習なんてしたくなくなりますから、一つの練習メニューだけを長時間やろうとしないようにしてください。
ではどのように練習していけば良いかというと、「練習メニューをプログラムする」です。
まず自分のやりたい練習メニューを複数用意。(仮に3つだとして、それぞれをA,B,Cとする)
そして「一つの練習につき15分」と時間を決めて、練習をスタートする。
A 15分 → B 15分 → C 15分 → A 15分 → B 15分 → C 15分 …
このように、順序を決めて取り組んでいく。
これだけです。
この例ならば、練習したい事を3個×15分なので、45分練習ができます。
時間や精神的に余裕があるなら2周目に入ってください。
こうやってプログラムを組めば、同じことの繰り返しにならないので、苦痛を感じることはないでしょう。
上記は例ですから、練習メニューの個数や時間配分はお任せします。
”5個を10分ずつ”でも、”3個を20分ずつ”でも”良いですし、
“メニューを4個用意して、一つが嫌になるまで”でも良いでしょう。
自分に合う時間をその都度決めてみてください。
【楽器の練習】最初は「質」よりも「量」なのでたくさん練習しよう まとめ

ありがたいことに、僕は「上手いですね!」「凄いですね!」と褒めていただけることが多くあります。
も…もっと褒めてくれ…褒めてくれたって、良いんだよ…
その理由は(おそらく)人よりも練習したからだと思っています。
そしてたくさん練習したからこそ、どうやって練習したら良いかを知れたので、ドラム講師になることもできたのだと思います。
最初のうちこそ、時間を作ってたくさん練習をしてください!
そして、練習するにあたっての関連記事もありますので、是非こちらもチェックして参考にしてみてください!
ということで最後までご覧いただきありがとうございました!