カンタンにセッティング・レコーディングができ、ドラムの可能性を広げることができるヤマハのEAD10。
発売当初から話題になり、現在では使っている人も増えているようです。
ドラム動画撮影をやっている僕にとって、マイクセッティングにかかる時間はちょっとした悩みの種であり、どうにかならないかと思っていたところ、ふと気付きました。
「EAD10を使えば、マイクを立てる必要もないし、もしかしてめちゃくちゃ楽なんじゃ…」
そして様々な動画で確認したところ、勝手が良さそうで、動画撮影には最適だと言う結論に達し、ポチッと購入するに至りました。
しかしその後、ほどなくして手放すことに。
ここでは実際にヤマハのEDA10を使って動画撮影をしてみてのレビューと、なぜ手放したのかをお伝えしていきます。
Contents
手放した理由は、音量の細かい調整ができないから
まず手放した理由からお伝えしていきます。
以下の三点が理由です。
- バスドラムの音だけ異様に大きく調整できない
- ドラム全体の音量バランスがとれない
- 音がきれいにまとまりすぎる
一つずつ解説していきます。
バスドラムの音だけが異様に大きい
商品到着後、意気揚々と個人練習でスタジオを2時間予約。
セッティングを完了し、叩いてみると「たった一つの集音装置をバスドラムに取り付けるだけで全体の音がキレイに拾えている!」と感動を覚えたものです。
マイクを立てる必要がないとか、とんでもなく楽チンじゃねえか…ッ!!
…と喜んでみたものの、いざ録音して確認してみると、バスドラの音だけがバチバチとクリップしているではないですか…!
え、ウソ、2時間が台無し?
その日に撮影した動画は全てボツにしました…。
む、無念…
ドラム全体の音量バランスがとれない

まあ集音装置はバスドラムに取り付けるワケですから、バスドラムの音を最も拾います。そりゃ音も大きくなる。
とはいえ、これはちょっとさすがに…な状態。
なんとかできないものかと入力レベルを下げます。
すると、バスドラムの音はクリップしないくらい小さくなりましたが、その分スネアやシンバル、タムの音も小さくなってしまいました。
スネアやハイハットはまだハッキリと聴こえる方ですが、フロアタムに至っては、ほとんど聞こえず。
一個の集音装置(マイク)で全体の音を拾う仕組みですから、マイクの入力レベルを下げれば全体の音が下がる。
バスドラムだけ小さくすることができないのです。
音がきれいにまとまりすぎる
これは好みの問題です。
音のまとまり感というか、この優等生な感じは、まさにヤマハの機材。
EDA10を使うと誰でもいい音で録れてしまうので、それを分かっていないと自分が上手くなったと錯覚してしまうかもしれません。
オケに合わせて録音したものを聴いてみると、音源とあまりにも馴染みすぎていて、自分のドラムが目立ちませんでした。
何と言うか、パンチが足りない印象。
マイクを立てて録ったほうが、「自分の音」に仕上がってくれます。
YouTubeに上がっている、EAD10を使用したいくつかの動画は、バランスよく録れている。
何で???
何でみんなそんなにバスドラの音がちゃんと録れてるん??
俺ってそんなにバスドラの音、大きいん??ンなワケないよね??
EDA10を使うメリットは、セッティングの楽さとドラムの音をラインアウトできること
さて、ここからは僕が感じたEAD10を使うメリットについてお伝えしていきます。
ポイントは二つです。
- セッティングが楽なので、時間短縮ができる
- ドラムの音をラインアウトできるのでPA的に有利になる場面もある
一つずつ解説していきます。
セッティングが楽なので時間短縮ができる

実際に試してみると、思っていたとおりセッティングが非常に楽チン!
上述した通り、集音器をバスドラムに取り付けるだけです。
今までは動画撮影のためにスタジオに入ると、以下のように準備をしていました。
- ドラムのセッティング
- マイク・ミキサーのセッティング
- カメラのセッティング
EAD10を使うと、②のマイク・ミキサーのセッティングが不要になるため、演奏に使える時間が増えます。
よって心理的にも余裕ができるので、落ち着いて撮影に取り組むことができます。
ドラムの音をラインアウトできるのでPA的に有利になる場面もある
例えば、ドラムにマイクを立てることはできないが、共演者がモニターからドラムの音を返して欲しいような状況。
そんな状況あるのかよとツッこまれそうですが、あるんです。僕は何度も経験しています。
EAD10のアウトプットからPAミキサーに接続すれば、マイクなしでドラムの音を返せます。
ヤマハ EAD10を使用してみてのレビュー まとめ

僕がEAD10を実際に購入・使用してみて思ったことをまとめると、以下の通りです。
マイキングの時間や手間が省ける
アウトプットがあるのでPA・RECがしやすい
一つのマイクで全ての音を拾う仕組みなので、細かい音量調整ができない
バスドラムの音量だけが突出して大きく拾われる
どんな機材にも優れた点、物足りない点はあります。
EAD10は僕には合いませんでしたが、ドラムの可能性を広げてくれる、非常に優れた機材であるとも思います。
ということで最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が購入を検討している方の参考になれば幸いです!